Poplar Spring Animal Sanctuary

春になるとFarm(農場)に行きたくなります。

Facebookさんが教えてくれましたが、10年前の今日も、(NY駐在中だったので)ペンシルベニア州の農場に行っていたようです☺︎


今回訪れたのは、Poolsvilleにある、Poplar Spring Animal Sanctuary。

FarmでなくSanctuaryという名前のとおり、いろいろなところから訳あってこちらへ連れてこられた動物たちが、余生を過ごす場所です。


団体でない個人グループは、毎週土曜の午後にあるツアーに参加することができます。
ひとり10ドルの入場料を事前にオンラインで支払い、これが寄付になります。


ツアーのはじまりに、創設者のひとり、Terriがここの成り立ちについて少し話してくれました。
30年ほど前、農場で虐待を受けたり放置されたりした動物のために、ここを立ち上げたそうです。残念ながら、そんなファームアニマルはとても多いそうで、東海岸一帯からこちらへ避難してくる動物は絶えないようです。

400エーカーを超える敷地は、土地のオーナーが活動に共感して寄付してくださったそうです。
運営費もすべて寄付100%でまかなっているのだそう。こんなサンクチュアリが寄付で運営される、アメリカの寄付文化、すごいです。



驚いたのは、250頭ほどいる動物たちが、みんなほんとうにフレンドリーで穏やかだったこと。
豚が大きいことにも驚きましたが!


ツアーは、車10台ちょっと、参加者は50人はいたでしょうか。


今回は、豚とヤギ、羊たちの暮らすエリアを主に案内してくれました。
牛や馬や、ほかにもいろいろな動物がいるようですが、敷地がものすごく広くて、1時間半のツアーで周れるのはそのくらい。おそらく馬は遠くに走りに行っているんだろうなあ、と思いました。

ツアーが始まる前、遠くに鹿?か何かの群れがものすごい勢いで走っていくのをみかけましたが、テレビで観るサバンナかどこかの光景のようでした。



このアヒルちゃん、人が通るとすっごくおしゃべりして、何か言っていました。
スタッフが名前を呼んで話しかけると甘えて首や背中を撫でさせていて、ほんとうに信頼関係があるんだなあ、、としみじみ。

250頭、すべてに名前があり、ここへ来たストーリーがあるそうです。



この牛さんは、目が見えないそうです。足の長さも違うので、昼間はこうして横になっていることが多いそう。

ヤギには3本脚の仔がたくさんいました。4、5頭くらいいたと思います。
いろいろな事情で手遅れて手術して1本足を失う結果になったようです。悲劇的なストーリーを持った動物もたくさんいました。

3本脚のヤギたちも、すごく元気で走って寄ってきます。
フィジカルにもメンタルにも、回復しているように見えました。


このヤギの赤ちゃんは生後6週間、まだミルクしか飲めないので、Terriと家の中で暮らしているそうです。

お母さんと一緒の赤ちゃんもいましたが、はじめのところであった小さい仔豚ちゃんは、ここで生まれたのではなくて、赤ちゃんの状態で保護されてきたそうです。



ウェブサイトでは7人いるとあったスタッフのうち、4名に会いましたが、とにかく愛情深く、動物の扱いも素晴らしく上手でした。

娘は、ひよことにわとりの間くらいのこどもを抱っこさせてもらいました。
抱っこの仕方を教えるのも上手でした。顔をつっこんでいて顔が見えませんが笑、頭がふわふわ。私たちは勝手に日本語でヒヨチキンと命名。


孔雀や七面鳥もいました。
みんなに、名前があって、ストーリーがあります。



最後にひつじとアルパカに会いました。
アルパカは、昔ペンシルベニアでも思いましたが、あまり社交的ではないのですよね。
さっと人から離れたところに行ってしまいました。

ほとんどの動物が人好きでフレンドリーだけれど、やはり、何頭かは、性格か人とのふれあいが好きでないそうです。
そういった動物には、ツアーの人々がくる前にさりげなく移動させてスペースを取ってあげたりと、自然な気遣いがありました✨








ひつじの毛の厚みにびっくりのこどもたち。
手を入れるとすごーく温かいです。
息子、来ている服が見た目が羊毛と似ていたので、ウールが入っていると思ってタグをみたらポリエステル100%だったそうです笑



おうちに帰っていくヤギの親子。
終のすみかを得た動物は、こんなに穏やかな顔をするんだな。犬や猫と同じように顔を押し付けてくるし、甘えてくるし。




いまこれを書いていたら(夜10時半)、眠くなった猫のヘクターが膝に飛び乗ってゴロゴロ言いながら甘えてきました🐈
我が家の二匹の猫たちも、もとはウエストバージニア州の路上で保護されて、シェルターに引き取られていた仔たちでした。
ペットを飼ってわかりましたが、食事や病院、その他もろもろ、お世話していくにはお金もたくさんかかるし、労力もかかります。

大きなファームアニマルたちがこれだけの数、のんびりとしっかり良いものを食べて広い敷地絵暮らせるだけの寄付を集めているというのは、本当にすごいことです。

そして思ったのが、ここの動物たちは、ある意味自分たちで、自分たちの食事代を稼いでいる訳です。
こうして動物を見にたくさんのビジターが訪れて、寄付として入場料を払っているわけですから。


余談ですが。

ちょうど、インバウンド(日本にくる外国のお客さん)に関心があっていろいろ関連した本や記事を呼んでいるのですが、その中で、日本の文化財を守る関連の話を読んでいて、「(減っていく日本人の代わりにインバウンドを増やして)文化財自身が修復費を稼いでいかなくては」という文章があったのですが、このメリーランド州のファームで動物たちを見ていて、なるほどこういうことか、と妙に納得してしまいました。


広くてアメリカらしいファームの景色が見られて、素敵なところです。
ちょっと外の空気を吸って広い景色を見たいときには、おすすめです。


 

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